健診で「心電図異常」と指摘されたら?原因・疑われる病気・精密検査を解説
健康診断や人間ドックの結果で「心電図異常」「要再検査」「要精密検査」と記載されていると、心臓の病気ではないかと強い不安を感じる方は少なくありません。
心電図の異常には、経過観察でよい一時的なものから、早期の治療が必要な不整脈や狭心症まで様々な種類が存在します。自覚症状がない場合であっても、放っておくと思わぬリスクにつながるケースがあるため、まずは正しく状態を把握することが重要です。
心電図検査の仕組みと「異常」が意味すること
心電図検査は、心臓が全身に血液を送り出す際に発生する微小な電気信号を波形として記録する検査です。
正常な心臓は一定の規則正しいリズムで収縮と拡張を繰り返していますが、電気信号の発生源や伝達経路に乱れが生じたり、心臓の筋肉に負荷がかかったりすると波形に変化があらわれます。
心電図検査で「異常」と判定された場合は、主に以下のいずれかの状態が疑われます。
-
脈のリズムが乱れている(不整脈)
脈が極端に速くなる(頻脈)、遅くなる(徐脈)、飛ぶ(期外収縮)など、拍動のリズムに異常が生じている状態です。 -
心臓の筋肉に酸素や栄養が行きわたっていない(心筋虚血)
心臓の血管(冠動脈)が狭くなるなどして、心筋への血流が一時的に低下している状態です。 -
心臓の筋肉や壁に負担がかかっている(心肥大・心拡大)
高血圧などの影響により、心臓の筋肉が厚くなったり広がったりして電気信号の伝わり方が変化している状態です。
健診結果でよく見られる判定項目・病名の意味
健診の結果表には聞き慣れない専門用語が多く記載されています。代表的な判定項目と用語の意味は以下の通りです。
1. 期外収縮(上室性期外収縮・心室性期外収縮)
本来のリズムより早いタイミングで心臓が収縮する不整脈の一種です。健診で最も多く見られる異常の一つで、健康な人にも生じることがあります。多くは経過観察となりますが、発生頻度や連発の有無によっては詳しい検査が必要です。
2. ST-T変化・異常Q波
心電図の波形の一部(ST部分やT波、Q波)に落ち込みや上昇などの変化が見られる状態です。心臓の筋肉に血液が十分届いていない可能性(狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患)が疑われるため、精密検査が必要となります。
3. 軸偏位・脚ブロック・心肥大
電気信号が心臓内を伝わるルートやバランスに変化が生じている状態です。高血圧によって心臓に負担がかかっているケースや、心不全の初期段階である可能性などを考慮して評価します。
4. 洞性不整脈・洞性頻脈・洞性徐脈
自律神経の働きや呼吸のリズム、運動、ストレスなどによって脈拍が変化している状態です。生理的な反応であることが多く、直ちに治療を必要としないケースが大半です。
心電図異常を引き起こす主な原因と日常のリスク
心電図の異常は、心臓自体の病気だけでなく、日常生活における様々な要因や全身疾患が複雑に関与して発生します。
1. 心臓疾患(狭心症・心筋梗塞・弁膜症など)
心臓の血管や弁、心筋そのものに病変が存在することで波形に異常があらわれます。
2. 生活習慣病(高血圧・脂質異常症・糖尿病)
特に高血圧は心臓に慢性的な負担をかけ、心筋を厚くさせたり(心肥大)、動脈硬化を進行させて心筋虚血を引き起こす大きな要因となります。
3. 自律神経の乱れ・ストレス・睡眠不足
過度なストレスや疲労、睡眠不足は自律神経のバランスを崩し、不整脈を誘発しやすくします。
4. 嗜好品(アルコール・カフェイン・喫煙)
過度の飲酒や喫煙、カフェインの過剰摂取は心臓に刺激を与え、脈の乱れを引き起こすことがあります。
心電図の再検査・精密検査で行う主な検査内容
健診で再検査や精密検査の指示が出た場合、当院などの医療機関では症状や疑われる病気に合わせて以下のような詳しい検査を実施します。
1. 再度行う標準12誘導心電図検査
健診時との波形の変化を確認し、一時的なものかどうかも含めて再評価します。
2. 24時間心電図検査(ホルター心電図)
小型の記録器を装着し、日常の生活や睡眠中も含めた24時間の心電図を記録します。健診時の短時間では捕まえきれない不整脈や、特定の時間帯に起きる胸痛の原因を特定します。当院では一週間ホルター心電図も可能です。
3. 心臓超音波検査(心エコー検査)
超音波を用いて心臓の動き、形、壁の厚さ、心臓内部の弁の状態などをリアルタイムで観察する体に負担のない検査です。
4. 血液検査
心不全のマーカー(BNPなど)や電解質バランス、心臓への負担に関連する生活習慣病の数値などを評価します。
心電図異常・要精密検査のご相談は当院へ
「自覚症状がないから」「以前も言われたから」と放置してしまうと、背景に隠れた狭心症や不整脈が進行し、将来的な心不全や脳梗塞などの重大な疾患につながるリスクがあります。
反対に、精密検査を行った結果「治療の必要がない問題のない異常」と分かり、安心して頂けるケースも多くあります。
瀬戸みずの坂内科クリニックでは、循環器疾患や生活習慣病に精通した医師が、丁寧な問診と適切な検査を通じて心臓の状態を総合的に評価いたします。「再検査の案内が届いて不安」「時々胸の違和感や動悸がする」といった方は、どうぞ放置なさらずお気軽に当院までご相談ください。
瀬戸みずの坂内科クリニック院長
高木 克昌 (たかぎ かつまさ)
主な保有資格
- 医学博士
- 日本内科学会総合内科専門医
- 日本循環器学会循環器専門医
- 日本不整脈心電学会不整脈専門医
- 日本糖尿病協会糖尿病認定医
- 日本抗加齢医学会専門医