糖尿病とは|原因・検査・治療まで徹底解説
糖尿病は、現代の日本において「国民病」とも呼ばれるほど身近な病気です。しかし、初期段階では自覚症状が乏しいため、つい放置してしまう方が少なくありません。
糖尿病の恐ろしさは、自覚がないままに全身の血管を傷つけ、重大な合併症を引き起こすことにあります。
糖尿病の基礎知識から種類、原因、検査、そして治療法まで、専門的な視点から分かりやすく解説します。
糖尿病とは
糖尿病とは、膵臓から分泌される「インスリン」というホルモンが十分に働かないことで、血液中の糖分が異常に増えてしまう病気です。私たちは食事から炭水化物などを摂取し、それを糖に変えてエネルギーとして利用します。通常であれば、インスリンが糖を血液中から細胞内へと取り込みます。しかし、糖尿病になるとこの仕組みがうまく機能せず、エネルギー源であるはずの糖が血液中に溢れ出し、血管を内側から傷つけ始めてしまうのです。
糖尿病の種類
糖尿病は、その発症の原因によって大きく 4つのタイプ に分類されます。
1型糖尿病
生活習慣とは関係なく発症し、子どもや若年層に多く見られますが、成人でも発症することがあります。体内でのインスリン供給がほぼゼロになるため、インスリン注射が不可欠です。
糖尿病の合併症、放置するリスク
糖尿病の本当の怖さは、高血糖そのものよりも「合併症」にあります。高い血糖値が続くと、全身の細い血管や太い血管がダメージを受け、取り返しのつかない障害を引き起こします。
三大合併症(し・め・じ)
細い血管が障害されることで起こる、糖尿病特有の合併症です。
- 神経障害:手足のしびれ、冷え、痛み、壊疽
- 網膜症:眼底出血、視力低下、最悪の場合は失明
- 腎症:腎機能の低下。進行すると人工透析が必要になる
大血管障害(動脈硬化)
太い血管が詰まったり破れたりすることで、命に関わる疾患を招きます。
- 脳卒中(脳梗塞、脳出血)
- 心疾患(狭心症、心筋梗塞)
- 末梢動脈疾患(足の血管が詰まり、歩行困難になる)
「症状がないから大丈夫」と放置することは、これらのリスクを刻一刻と高めていることと同じです。
早期発見と適切な管理が、10年後、20年後の人生を大きく左右します。
糖尿病の原因
糖尿病になる原因は単純な物ではなく、食生活や運動習慣、遺伝など複雑に絡み合っています。
- 遺伝要因:家族に糖尿病の方がいる場合、体質的にインスリンが働きにくい素因が遺伝していることがあります。
- 食生活の乱れ:高カロリー・高脂肪な食事、甘い飲み物の過剰摂取、早食い、一気にたくさん食べる(ドカ食い)ことは膵臓に大きな負担をかけます。
- 運動不足:筋肉は糖を消費する最大の場所です。運動不足により筋肉での糖消費が減ると、血糖値が上がりやすくなります。
- 肥満:脂肪細胞から、インスリンの働きを邪魔する物質が分泌されるようになります。
- 加齢・ストレス:加齢に伴う代謝の低下や、ストレスによるホルモンバランスの乱れも血糖値を上昇させる要因です。
糖尿病の検査
糖尿病かどうかを判定するためには、血液検査が不可欠です。主に以下の数値チェックします。
- 血糖値(空腹時・随時):検査の瞬間血液中の糖の濃度を測ります。
- HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー):過去1〜2ヶ月間の血糖の平均状態を示す指標です。食事の影響を受けないため、診断において非常に重要視されます。
- 75g経口ブドウ糖負荷試験(OGTT):ブドウ糖液を飲み、時間の経過とともに血糖値がどう変化するか詳しく調べます。
当院の糖尿病の診断
糖尿病の診断は、学会が定める基準に基づいて厳格に行われます。一般的には、以下の条件のいずれかに当てはまる場合に「糖尿病型」と判定されます。
- 空腹時血糖値が 126mg/dL 以上
- 75gOGTT2時間値が 200mg/dL 以上
- 随時血糖値が 200mg/dL 以上
- HbA1cが 6.5%以上
別の日に行った再検査でも「糖尿病型」が確認された場合、あるいは 1〜3 のいずれかと 4(HbA1c)が同時に確認された場合に、糖尿病と診断されます。また、数値が基準に満たなくても、正常値より高い場合は「境界型」として、早期の生活習慣改善が推奨されます。
当院の糖尿病治療
糖尿病治療の目的は、単に血値を下げることではなく、「合併症を防ぎ、健康な人と変わらない寿命と生活の質(QOL)を維持すること」です。
循環器専門医による「全身を守る」アプローチ
糖尿病は血管を傷つける病気であり、心臓病との関わりが非常に深いのが特徴です。単なる血糖管理に留まらず、心臓や血管の状態を常に把握し、心不全や動脈硬化のリスクを最小限に抑える治療が必要です。
食事療法
治療の土台です。「食べてはいけないもの」があるわけではなく、「適切な量をバランスよく食べる」ことが基本です。食物繊維を先に食べる「ベジタブルファースト」や、腹八分目を心がけることから始めます。
運動療法
運動によって筋肉での糖の利用を促し、インスリンの効きを良くします。ウォーキングなどの有酸素運動と、スクワットなどのレジスタンス運動(筋トレ)を組み合わせるのが効果的です。
薬物療法
食事・運動療法で改善が不十分な場合、お薬の力を借ります。
- 経口薬:インスリンを出やすくする薬、インスリンの効きを良くする薬、糖の吸収を遅らせる薬、尿から糖を出す薬(SGLT2阻害薬)など、病態に合わせて選択します。
- 注射薬:インスリン製剤や、食欲を抑えインスリン分泌を促す GLP-1受容体作動薬などがあります。
最新の治療では、このような薬剤を使いながら、患者様一人ひとりのライフスタイルや病態に合わせた「オーダーメイド治療」が可能になっています。
糖尿病治療は当院へご相談ください
糖尿病は長く付き合っていく必要のある病気です。だからこそ、一人で抱え込まず、専門家と一緒に歩んでいくことが大切です。
当院では、医学的なデータに基づいた適切な診断はもちろんのこと、患者様が無理なく続けられるライフスタイルの提案を何よりも大切にしています。
「運動が苦手で何から始めたらいいか分からない」「仕事が忙しくて食事不規則になりがち」このような心配を抱え込んでいる方も多いのではないかと思います。
健康診断で数値が気になった方、ご家族に糖尿病の方がいて不安な方、
まずは一度、お気軽にご相談ください。
あなたの健康を守る第一歩を、当院で一緒に踏み出しましょう。
瀬戸みずの坂内科クリニック院長
高木 克昌 (たかぎ かつまさ)
主な保有資格
- 医学博士
- 日本内科学会総合内科専門医
- 日本循環器学会循環器専門医
- 日本不整脈心電学会不整脈専門医
- 日本糖尿病協会糖尿病認定医
- 日本抗加齢医学会専門医